妊娠中期〜後期に、突然「強いかゆみ」や「赤い発疹」が出てきたら、妊娠性痒疹(PUPPP)かもしれません。特に初産婦さんや、お腹が大きくなってきた妊娠後期に多く見られます。眠れないほど痒くて、夜中に目が覚めてしまうこともあります。
私自身も妊娠後期に、首から上と足の裏以外、ほぼ全身が痒くなって本当につらかった一人です。病院でPUPPPと診断され、たくさん引っ掻いた跡も残ってしまいました。でも、産後しばらく経った今は、跡も含めて完全にきれいに戻っています。今回は、PUPPPの原因・症状と、私が実際に試した対策を、体験をもとにまとめます。
この記事で分かること
- PUPPP(妊娠性痒疹)の症状と、発症しやすい時期
- 治療・受診の目安と、自宅でできるセルフケア
- 私が実際に試した対策
- ⚠️見逃すと危険な「似た病気」との見分け方

妊娠中のかゆみ「PUPPP(妊娠性痒疹)」とは?
PUPPP(読み:ピーユーピーピーピー)とは、「妊娠性痒疹」とも呼ばれる、妊娠中に出やすい皮膚のかゆみや湿疹を伴う皮膚疾患です。医学的には「Pruritic Urticarial Papules and Plaques of Pregnancy(妊娠に伴う痒みを伴うじんましん様の発疹)」の略です。
主な症状
- はじめはお腹まわりに、赤い小さなぶつぶつ(丘疹)が出現
- その後、太ももやお尻、腕、指先、足先などに広がる
- 妊娠が進むにつれてかゆみが非常に強く、夜間も眠れないことがある
- 発疹は、おへそを避けて出るのが特徴的
- 私の場合は首から上と足の裏には現れませんでしたが、逆にそれ以外の場所すべてに出ました(脚や手の甲の実際の写真は、このあと「Before・After」で載せています)
発症時期とリスク因子
- 妊娠中に出ることが多く、週数が進むにつれて痒みも増す
- 双子妊娠や、体重増加が大きい人に多い
- 初産婦に多く、経産婦では少ない
- 母体と胎児の二人分の血液循環を行っているため、肝機能など代謝の負担が大きい
- 原因は不明だが、皮膚の急激な伸びやホルモン変化が関与するとされている
PUPPPの治療と、私が試したセルフケア
はじめは、ポリポリと無意識に引っ掻いてしまう程度で、あまり気にしないかもしれません。でも気づいたときには徐々に広がっていて、引っ掻いた部分が黒ずみ始める頃には、割と傷だらけになっている可能性があります。
はじめのうちは保湿剤や冷却で様子をみて、塗り薬がほしいときはかかりつけの産婦人科に相談を。多くの産婦人科ではレスタミンクリームを処方してくれます。それでも収まらない場合は、皮膚科の受診がおすすめです。皮膚科では、より強力な抗ヒスタミン薬やステロイドの軟膏・クリームを処方してくれます。外用薬は基本的に胎児への影響はありません(内服薬を処方する医師は少なめですが、症状によっては出ることもあります)。
自宅でできるセルフケア
- 保湿をしっかりする(ワセリンやローションなどの保湿剤)
- ぬるめのシャワーや入浴で皮膚を冷やす(長湯はしない)
- 綿素材のゆったりした服で、皮膚への刺激を減らす(ヒートテックなど化繊はチクチクして痒みが増すので避けたほうが◎)
- 爪を短く切る(掻きむしり防止)
- 靴よりも風通しの良いサンダル(転倒には気をつけて)
- 冷却ジェルや保冷剤を当てて冷やす
私が実際に試したこと
私の場合はかなり痒く、仕事をしている時間や何かに没頭しているときは忘れられていましたが、ふとした時や産休に入って自分時間が増えたときには、常に痒くて……。臨月付近は家にいることも増え、上の子は4月生まれで里帰りだったため、生まれるまでの暖房生活が逆に辛かった記憶があります。夏は夏で冷房をつけて家から出ない生活になりそうですし、「夏だから・冬だから」という差はないのかなと思います。
そんな中で、私が実際に試したのはこんなことです。
- ムヒなど、メントール入りの市販薬でスーッとさせる
- よもぎ茶を飲んだり、よもぎ石鹸を使ったり、よもぎエキス入りの全身ローションで保湿したり
- 保冷剤で、痒いところを冷やす
- 綿素材のゆったりした服を選ぶ
- 1日2回のシャワーで、さっぱりさせる
- つらいときは我慢せず、皮膚科を受診する
特に下着は、本当に悩みました。妊婦だから妊婦用の下着を……と準備はしていたのですが、もうずーっと痒すぎて、それどころではなくなり。結局、パンツは縫い目のないもの、上の下着はとにかく擦れない、綿で締め付けないものにして過ごしていました。
よもぎ茶やよもぎ石鹸は、「やらないよりはマシ」くらいの気持ちで続けていました。気休めかもしれませんが、何かしているという安心感もありました。
私が使っていたアイテム
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※私が試した中には民間的なケアも含まれます。効果には個人差があり、合わない場合もあるので、心配なときは医師に相談してくださいね。よもぎ茶など口にするものは、念のためかかりつけの医師に相談すると安心です。
PUPPPはいつ治る?赤ちゃんへの影響は?
- 多くは、出産後1〜2週間以内に自然に治まる
- 赤ちゃんへの影響は、基本的にありません
- ただし、かゆみによる睡眠不足やストレスでママがつらくなるため、対処は大切です
私自身はかなり赤みが出ていましたが、自然分娩だったので、出産時は陣痛の痛みでかゆみなんてそっちのけになりました。産後は1ヶ月くらいまでかゆみがありましたが、その後は初めての育児に一杯一杯になり、だんだん気にならなくなっていきました。
そして、いちばん気になる「引っ掻いた跡は本当に消えるの?」というところ。私の場合は、2年経った今、跡もすべて消えて産前の皮膚に完全に戻りました。当時は本当に不安だったので、脚と手の甲のBefore・Afterを残しておきますね。
脚のBefore・After


手の甲のBefore・After


⚠️かゆみで見分けたい、ほかの病気に注意
妊娠中のかゆみの中には、まれに赤ちゃんに影響する病気が隠れていることもあります。特に、手のひら・足の裏の強いかゆみ+発疹なしは「妊娠性肝内胆汁うっ滞症(ICP)」の可能性があり、放置すると早産や胎児のリスクがあるため、必ず血液検査での確認が必要です。「かゆいだけだから」と油断しないでください。
妊娠に伴う皮膚のかゆみ・主な疾患一覧
| 病名 | 主な特徴 | 影響 | 発症時期 |
| PUPPP(妊娠性痒疹) | お腹の妊娠線あたりに小さな赤い発疹。強いかゆみがある。 | 赤ちゃんへの影響なし | 妊娠後期(特に34週以降) |
| 妊娠性肝内胆汁うっ滞症(ICP) | 手のひら・足の裏から始まる強いかゆみ。発疹はなし、または軽度。 | 早産・胎児死亡のリスクあり | 妊娠中期〜後期 |
| 妊娠性疱疹(妊娠性ヘルペス様皮疹) | お腹を中心に水ぶくれ様の発疹。自己免疫によるもの。 | 胎児への影響あり(早産や低出生体重) | 妊娠後期に多い |
| 乾燥性皮膚炎・アトピー性皮膚炎の悪化 | もともと皮膚が弱い人に多く、全身が乾燥しやすくかゆみが強くなる | 赤ちゃんへの影響なし | 妊娠初期〜全期間 |
それぞれの違い・見分け方
| ポイント | PUPPP | ICP(胆汁うっ滞) | 妊娠性疱疹 |
| 発疹の有無 | あり(赤く盛り上がる) | ほぼなし | 水ぶくれ状の強い発疹 |
| かゆみの部位 | お腹→太もも・腕 | 手のひら・足の裏が中心 | お腹→全身に広がる |
| 胎児への影響 | なし | あり(要管理) | あり(要管理) |
| 診断方法 | 視診が主 | 血液検査(胆汁酸値) | 皮膚生検や抗体検査 |
妊婦さんが気をつけるポイント
- 発疹の「場所」「種類」「かゆみの強さ」などを記録する
- 妊婦健診時に、必ず医師や助産師に伝える
- 自己判断せず、必要に応じて皮膚科や産科で検査を受ける
まとめ|つらいかゆみは、一人で我慢しないで
妊娠性痒疹(PUPPP)はつらい症状ですが、赤ちゃんに害はなく、ママが痒さと戦って我慢する時期です。それでも、我慢せず皮膚科や産婦人科に相談することで、かゆみを軽減できる可能性があります。つらいときは、遠慮せず受診しましょう。
※本記事は個人の体験をもとにした記録です。妊娠中のかゆみには、まれに赤ちゃんに影響する病気が隠れていることもあります。自己判断せず、気になる症状は必ずかかりつけの産婦人科・皮膚科にご相談ください。




